《性依存日誌56》「男が痴漢になる理由」は性依存症の本質をついた読むべき一冊

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性依存日誌
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性依存症の本質をついた一冊

クリニックのプログラムを受け始めてから今まで、性依存について多くのことを学んできました。

そして、自身のことについて深く考えてきました。

そんな状況で「男が痴漢になる理由」という本を読みました。

「最初に読んでおきたかった」と思えるくらい色々なことが書かれていました。

クリニックの性依存プログラムで学んできた内容が、この一冊に凝縮されている感じです。

痴漢をする人の本音についても細かく書かれていました。

僕は痴漢でなくて盗撮をしていましたが、根っこの部分は同じだと思いました。

例えば、加害者は「運が悪かった」と思って都合の悪いことは忘れてしまう。

というように、本を読んでハッとさせられることも多かったです。

読んでみて心に残ったこと

読んでみて心に残ったことの一部を紹介します。

痴漢は優越感を得る行為

痴漢は、女性が嫌がることをして、追い詰め、傷つけ、征服し、優越感を得る行為です。

会社や家庭で不当に扱われている人にとって計り知れない刺激となります。

痴漢行為の本質は支配欲にあり、男性が性を利用することで女性を支配させるそうです。

ストレスや劣等感、孤独感を抱えて、揺らいでしまった自身の優位性を確認するかのように、自分より弱い者にその矛先を向けます。

僕は、自分ではそのつもりは全くないと思っています。

しかし、触りたいだけなら風俗に行けば出来ることを考えると、やはり根本の部分では女性に対して優越感を得たかったのかもしれません。

ビギナーズラックから始まる

痴漢は、ビギナーズラックから「こんなに簡単に出来るんだ」と手応えを得るところから始まります。

そして、「ここまでは大丈夫だった」が積み重なっていくと、エスカレートしていきます。

痴漢の始まりは「発見」です。

「こんなことをしてもバレないんだ」

「女性は嫌がっていないんだ」

という認知の歪みの形成が始まります。

これは加害者にとって心地の良い状態です。

僕の盗撮も、このビギナーズラックから始まりました。

次第に自分の認知がどんどん歪んでいきました。

当時僕は「認知の歪み」という言葉も全く知らず、とにかく自分の性欲が強いのだと思っていました。

しかしそうではなく、物事の捉え方が正常ではなかったのです。

加害者の特徴をよく捉えている

本の中では、加害者についてこのように説明しています。

会社では仕事熱心で、週末には家族サービスもする。

でも、自分自身の生きがいは特にない。

まさにその通りの生活でした。

この本の著者は多くの性加害者を診察しているため、どのように考えているか、どう行動するかをよくご存じのようです。

また、加害者は加害したことをすぐに忘れるという特徴もあるそうです。

自分が危害を加えたという加害者記憶を都合よく忘れてしまいます。

性依存症の人に読んでほしい

「男が痴漢になる理由」は自身の歪んだ考え方や行動を振り返るのに適した本です。

中には、受け入れたくない現実も書かれているかもしれません。

しかし、その現実を知ることが長い目で見て治療に結びつくと感じました。

ぜひ一度、性依存症の方に読んでいただきたい一冊です。

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